河合貴子のレッズ魂ここにあり!「華麗に、豪快にゴールを目指して!~関口訓充選手」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
スタメン獲得に向けて虎視眈々と自分を磨く、関口訓充選手が現在の心境を語る。
練習を取材していると、ピッチの中でギラギラと輝いている選手がいた。関口訓充選手である。ドリブルで中に切れ込むかと思いきや、縦に抜けてクロスを上げる。シャドウに預けて、DFの裏を突く。観ているだけで、胸がときめく。ひょっとしたらスタメンで起用されるのではないか?と思う事が、最近続いている。
試合前日に、「リーグ初スタメンがあるんじゃない?」と関口選手に声をかけると「スタメンもサブも良い準備が大事です。メンバーを決めるのは監督です。良い準備をするのは、選手の務めです」と冷静な口調で答えた。しかし関口選手の目を見ると『俺を使え!』と言わんばかりの自信に溢れた輝きを持っているように見えた。
「ドリブルで相手DFを一枚剥がす事によって、相手のDFがずれる。ずれる事によって、チーム全体の攻撃がやり易くなると思う」と関口選手は自分の得意のドリブルを武器に相手を崩すイマジネーションを膨らませていた。
仙台から移籍してきた当初、浦和のフットボールスタイルに戸惑いを感じていた関口選手は「独特なサッカーをやるので、非常に理解するのに大変な所はあった」と当時を振り返った。
「守備の所で、このポジションの選手にどう付くのか?前の選手にどこでプレッシャーをかけさせたら良いのか?仙台の守備の仕方と全然違うやり方なので、戸惑いは有りましたし、サイドの求められるプレーが、中に当てたりとかフリックとかを、やらなきゃいけないので、見る角度と当てる場所が手前ではなく、一歩奥を見たりとか、今までそういう事をやっていなかったから、周り見る事で最初はいっぱいいっぱいだったんですよね」と悪戦苦闘した日々を少し照れながら話してくれた。
浦和に来て約5か月、漸く攻守に渡って視野の広がりを見せて来た。だが、サイドのポジション争いの壁は厚く、リーグ戦スタメン出場のチャンスを掴めないでいる。
「スタメンで出てもやれる手応えは有りますし、自信は持っている。いつ『行くぞ!』と言われても良いように、練習からしっかりやろうと思っている。今の状況でも腐らずに、ずっとやって行くぞ!プロである以上、やらなきゃいけない事ですし、それがいつか自分に返ってくる。どんな状況でもやり続けないといけない事だ」と現状に屈せずにいた。
関口選手のスキルを考えれば、移籍せずに仙台に残っていたら、間違い無くスタメンを張れている選手である。いや、他のクラブでもスタメンで試合に出ていただろう。関口選手は、敢えて厳しい現状を求めて浦和にやって来たのだ。「違うサッカーをやりたいっていう思いもあった。選手が違えば、戦術も違う。やれるサッカーも変わって来るし、パスの出方も変わって来る。仙台にいたら、いつもの俺でいたと思う。違うチームに行ったら、違う自分が出せるのではないか?!っていう思いがあった。色んな環境においてやる事が、選手としての成長の一つだと思っていた時に、こんなに良いチームから声をかけて貰ったんですよ」と思い切って厳しい環境に敢えて身を置く決断をしたのだ。
関口選手は「今までと違うサッカーが出来るのは、自分のサッカーの質が成長出来る。今は、試合に出られる時間は少ないが、良い日々を過ごしている」と笑顔を見せた。そして、「シーズンはね、メンバーの18人でなくて、チーム全員で勝ち取るものだと思う。どんな状況でも、やっぱりプレーし続けないといけない。それが、チーム。スタメンでなくて歯がゆい思いはあるが、その思いを出していても良い事は無いので、自分にチャンスが来た時に、良い準備して結果を出せる様にしたい」とプロ選手であるべき姿を話した。
関口選手の記念すべき移籍初ゴールは、3月12日埼スタで行なわれたACLグループリーグ・ムアントン戦であった。後半20分、関口選手が左サイドからカットインして、右足でゴール前に送ったアーリークロスは、ゴールに吸い寄せられるように孤を描き、ゴール右隅に決まった。しかし、偶発的に決まったゴールに、関口選手は納得していなかった。話の最後に「あのゴールじゃ納得で無いなぁ」と私が辛口に言うと、間髪入れずに関口選手は「俺もですよ!!豪快に決めたい!ドリブルから決めたい!」と話した。
現状に満足する事なく、更なる飛躍を求めてポジション争い厳しい状況下の浦和にやって来た関口選手。浦和のフットボールスタイルに馴染むのには、少し時間が掛かったが、ここからが、関口選手の本領発揮となるだろう。華麗なドリブルで相手DFを翻弄し、豪快なシュートでゴールネットを揺らす時が、必ず来る。その時が来た時、初めて浦和に移籍して来た事が、意義ある物に変わって行くはずである。
Q 靱帯を強化する事は出来るのでしょうか?
A 靱帯を強化する事は、出来ません。靱帯は関節と関節を支えるもので、凄く大切です。
足首の靱帯は1~2㎝しかありません。約1㎝ほどの靱帯が切れるとメスで切ったように真っ直ぐに切れず、モップエンドと言って、モップのような状態になります。伸びた位置で治ってしまうと足首がぐらついてしまい、酷い方は何度も捻挫を繰り返し、軟骨を痛めたりします。
中には、靱帯を移植手術しなければならない場合もあります。たかが捻挫ですが、大切なのは1回目や2回目の捻挫でちゃんと治す事です。また、靱帯の周りの筋肉を鍛える事で靱帯の動きを補えます。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/