河合貴子のレッズ魂ここにあり!「揺ぎないフィロソフィー」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
自分達のやり方を貫き通して勝つ。
たった1点の重みを感じながら、悔しさを噛みしめたナビスコカップ決勝。敗戦を告げる笛が、国立競技場に鳴り響くと、浦和の赤い戦士たちはため息と共にピッチに崩れ落ちた。
原口元気選手は、顔をクシャクシャにしながら、やる瀬ない憤りを感じていた。自分達がやるべきことをやった結果、手が届きそうで届かなかった思いは強く、悔しさ、やる瀬なさ、悲しさ、自分への憤り・・・。
浦和のスタイルを貫き通して輝く栄光を手にいれたかった。キャプテンの阿部勇樹選手は、力を出し切り最後まで闘った仲間に労をねぎらうかのように、ひとりひとりに優しく声をかけて歩いた。
試合後の記者会見でミシャ監督は「非常に悔しい。相手に劣ったゲームをした訳ではない。レイソルが退いて来るのは予想していた。相手は、守ってからカウンターを狙っていた。前半のアディショナルタイムに失点してしまい、後半はリスクを負って攻撃を仕掛けてチャンスを作れたが、得点出来ずに敗戦してしまった。負けてしまって申し訳ない気持ちで一杯だ。ただ、浦和がJ1でどれだけポテンシャルを持っているかが、改めて分かったと思う。今日が、最後の決勝の舞台だとは思っていない。必ずまた、決勝へと駒を進め、サポーターに優勝を捧げたいと思う」と語った。
その姿は、悔しさを噛みしめながらも、自分達のスタイルを貫き、最後の笛が鳴るまで全力で闘った選手はもちろんサポーターを含めた赤き戦士たちを誇らしげに思う、威風堂々たるものを感じた。
しっかりとゴール前を固めた柏に対して、全くチャンスが無かった訳では無い。後半25分、ドリブルで切れ込んだ原口元気選手のパスを柏のGKとDFの間に飛び込んだ阿部選手のシュートは無情にもゴール上に逸れた。決定的なチャンスであった。試合後そのシーンを振り返り「あれ、決まっていたら1-1だし・・・。自分でね、浮かすと言う選択をした。決められなかったし、あのようなチャンスを外してしまった。追いつけなかったのは、決められなかった自分の責任。決める、決めないでチームの勢いが変わる。みんなには申し訳ない。この悔しい気持を何処にぶつけるか・・・。ぶちゃけ、同じ相手と同じ舞台で勝って、初めて忘れられる」と話し、折れそうな心を奮い立たせるように「悔しい気持ちをしっから受け止めて、チーム一丸となってやって行くことが大事。試合は待ってくれない。ここで崩れたらダメでしょ!僕らには、4試合、今日の雰囲気の試合が続くんで、しっかりと闘って行かないといけない。何処のチームも、うちの攻撃を止めようと今日みたいに来る。ブレずに、自分達の闘いと言うものを続けてやって行くべきだし、やっていれば結果は後から付いて来る。この悔しさを忘れずに、残りの4戦も頑張りたい」と話した。
前線から嵌めこむ守備でボールを奪い、ショートカウンターを狙ったり、ボールをポゼッションしながら左右に揺さぶりを掛けて浦和は、速攻遅攻を織り交ぜ相手陣内に攻め込んで行く。ゴール前を退いて固めるのは、ある意味、強い相手と対戦した時の常套手段とも言える。攻撃に出た所で、相手にスペースを与えてしまいゴールを奪われる可能性がある。または、選手のスキルの差で、前に出て行きたくても行けない場合もある。柏は、リーグ戦で浦和に痛い思いをしていた。そして、出場停止や怪我人などでメンバーも変わらざる負えない状況の中での対戦であった。だからこそ、ネルシーニョ監督はタイトルを獲るために、守ってカウンター狙いの戦術をとったのだ。ミシャ監督は、相手に合わせること無く、スタイルを貫いた。その結果、勝利の女神は柏に微笑んだ。そこには、両チームの監督が持つ、それぞれのフットボールのフィロソフィーがあった。どちらが正しい訳でも、間違っている訳ではない。フィロソフィーは、誰にも否定は出来ない。
だが、タイトルを獲れなかった悔しさだけが募る。ナビスコカップ敗戦から、ずっとフットボールにおけるフィロソフィーを考え込んでしまった。考えれば、考えるほど答えは出無いでいた。やり方を変えて、タイトルを手にしたところで、喜びはあるが、その先には何があるのだろうか?一番良いのは、自分達のやり方を貫き通して勝つことだと思った。
賛否両論あるだろうが、これは私の勝利に対する美学であり、フットボールのフィロソフィーである。おそらく、今の浦和にはその力があるから、そう思えるのだろう。
関口訓充選手は「難しい展開で決められる選手になる!」と言った。那須大亮選手は「体を張って止めて来る相手を抉じ開ける」と言った。そして、原口元気選手は「守備的な相手を倒したい。リーグを獲れたら何倍も嬉しい」と言った。敗戦の悔しさをバネに、ミシャ監督の揺るがないフィロソフィーの下で輝く栄光を勝ち取ろう。
Q.アキレス腱痛はなぜ起きるのでしょうか?
A.大きな原因の一つは、運動することにより、アキレス腱のもとの筋肉であるふくらはぎの下腿三頭筋が硬くなって、足首の柔軟性がなくなると、アキレス腱に負担が掛かり、アキレス腱に炎症がおきます。アキレス腱が傷む人のふくらはぎを触ると、固いし、痛いと言う人が多いです。また、疲労骨折と同じ様に使い過ぎると、アキレス腱そのものに部分的に小さな断裂が起きて、痛みが出たりします。また、扁平足や回内足と言って足や足首の構造や配列が悪い人は、アキレス腱に負担がかかり易くなります。そのほか、靴のカラーでアキレス腱が刺激されて発生する人もいます。踵に靴ずれが出来る人は、アキレス腱に圧力がかかっている証拠ですので注意が必要です。靴のカラーの高さは重要です。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/