河合貴子のレッズ魂ここにあり!「笑門福来~西川周作選手」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
新加入・西川選手が笑顔が絶えない理由
笑顔は、人に安らぎや安心感、元気や勇気を与えてくれる。不安で堪らない時に、「大丈夫だよ!」と笑顔で言われるとホッと出来るが、逆に「大丈夫?」と心配そうに言われると不安が増幅する。
私が新人のころ、初めてTVの生放送に出演した時に、大先輩のレポーターから「オンエアーのランプが点いたら、カメラに向って先ずは笑え」と教えられた。作り笑いでも良いから笑うことで自分の緊張感もほぐれるし、TVを見ている人が『この新人レポーターは大丈夫かしら?』などと不安を与えることが無くなるからである。言葉と表情は、メンタル面で他人や自分に対しても影響を及ぼす重要なファクターである。
フットボール選手が笑う時は、リラックスしている時はもちろんであるが、プレーが上手く行った時やゴールを決めた時、勝利をおさめた時など限られているように思える。意識して笑おうとする選手はなかなかいない。
だが、西川周作選手は違っていた。私の西川選手に対する第一印象は『笑顔が絶えない選手』であった。新入団記者会見の時も西川選手は、神妙な面持ちで質疑に応答するものの質疑の最初と終わりには必ず笑顔をみせた。写真撮影の時も、他の選手と比べて西川選手だけが笑っていた。様々な笑顔がある中で、白い歯を見せてニコッと笑う西川選手の笑顔は、親近感をもたらした。西川選手は、意識をして笑顔を作っていたと思うが、新入団会見でこんなにニコニコと笑顔を振りまく選手を私は見たことがなかった。
西川選手の練習用のすね当てには『笑門福来』と言う文字が刻まれていた。「大分時代から好きな言葉で、広島に移籍した時に練習用のすね当てに文字を入れました。試合用は、家族の名前なんです」と少し照れ笑いして「笑うことは大事!僕が笑っていれば、周りが笑顔になる。幸せになれる。そして、僕はみんなの笑顔を見てパワーが貰える」と西川選手は笑顔の意味を教えてくれた。笑顔を見せることは、西川選手のモットーであった。
そんな、西川選手が浦和にやって来てから心の底から嬉しそうに笑ったのは、大原に都築龍太氏が来た時であった。西川選手は「都築さんは、憧れの選手。食事の約束をした。話すと優しい人ですね」と嬉しそうに話した。「都築さんは、迫力がある。キックが正確で、見とれるキックをする。あの気迫を僕も付けていきたい。あのような気迫をゴール前に立った時に付けていかないといけない」と目を輝かせた。
都築氏の現役時代、ゴール前に立った時の研ぎ澄まされた恐いぐらいの気迫は、浦和を愛する者ならば誰でも知っている。ゲームの流れを読んで、正確なビルドアップでゲームをコントロールするだけでなく、関西弁で仲間を叱咤し鼓舞させる。ピッチの中では鬼のような形相であるが、一端ピッチを離れると礼儀正しく、心優しい選手であった。西川選手が都築氏に憧れるのも分かる。『笑門福来』だからと言って、ピッチの中では笑ってはいられない真剣勝負の場である。だから、西川選手は、すね当てを練習用と試合用に使い分けているのだと思った。
『笑う門には福が来る』と言う言葉は、本当に大切なことだ。意識して笑顔を作ることも大事だし、辛い時こそ笑おうと思うが、やはり人は自然に心の底から生まれる笑顔が一番である。勝利を手にした時、西川選手は最高の笑顔を見せるだろう。勝利の笑顔が何よりも福をもたらす。
Q.十字靱帯損傷は、あまり耳にしませんが・・・。
A.後十字靱帯損傷も多いです。後十字靱帯は、多くは接触損傷で、膝を曲げた状態で地面に強打するようなとき損傷します。後十字靭帯は大腿四頭筋の筋力で損傷があってもカバーされることが多く、損傷をしていても適切なリハビリを行えば手術しなくてもスポーツに復帰できる場合が多いです。サッカー選手の場合は、ゴールキーパーにこと損傷が多いようです。しかしスポーツの動作の種類(スポーツ種目やその特別な動作)によっては手術が必要な症例もあります。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/