河合貴子のレッズ魂ここにあり!「今年の浦和は一味違う!」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
結果と内容にこだわる開幕戦に
いよいよJリーグ開幕である。浦和は、宮崎・指宿キャンプを終えて、怪我人はマルシオ・リシャルデス選手と今シーズン大宮から移籍してきた青木拓矢選手だけである。マルシオ・リシャルデス選手は、ブラジルで軽いジョギングをしたり、プールで軽く負荷をかけたりと順調にリハビリをこなしているそうだ。その怪我人の2人を除けば、開幕戦に向けて良い準備が出来ていると感じた。
ミシャ監督も開幕戦の前日に「どのチームの監督も良い準備が出来たとコメントすると思いますが、我々も良い準備が出来た」と自信ありげに笑った。
開幕戦の前日練習を取材しても、G大阪を想定したチームとスタメンが予想されるチームとのハーフコートのミニゲームでは、良い守備からの良い攻撃を見ることが出来た。安い失点と言わざる得ない失点シーンもあったのは事実であるが、十分に修正は出来る。
前線から追いこみをかけて連動した守備を行ない、インターセプトしたあとはワイドの展開をチーム全員が意識していた。そして、李忠成選手の加入によってシャドーやボランチのポジション争いも拍車をかけることとなり、ミニゲームではボランチに柏木陽介選手と阿部勇樹選手、または今週別メニューで調整していた鈴木啓太選手と阿部選手と組み合わせたり、シャドーを原口元気選手と李選手、または原口選手と柏木選手にしたりとミシャ監督は試した。
昨シーズンからポジション争いが続いている両サイドも平川忠亮選手、宇賀神友弥選手、梅崎司選手、関口訓充選手の争いも相変わらず激しい。
ミシャ監督は「チーム内の競争が高まった。メンバーは昨シーズンよりも少ないが、質としての数は増えた」と話すぐらい誰がスタメンで出場しても高いクオリティーで試合に臨める手応えはあった。G大阪戦のスタメンを予想するだけでも胸の高鳴りを覚える。
ただ、開幕の相手がG大阪であることに昔を思い出し一抹の不安が過る。1993年の開幕戦もG大阪であった。一方的に攻めながらもCKからの失点で0-1と敗れた。当時、監督だった森孝慈氏は「ハーフタイムに停電となって、なんか調子が狂った」と話していたことを思い出した。あの当時も開幕に向けて良い準備は出来ていたと思っていたが、停電と言うアクシデントから浦和の歯車が狂い開幕を白星で飾ることが出来ないだけでなく、チームは自信を失い低迷したのであった。
ほんの些細なことがチームの低迷に繋がる恐さがある。何が起こるかなんて誰も予測は出来ない。「何が起こるか分からない」そこにフットボールの恐さがある。だが、今年の浦和は一味違うと信じたい。ミシャ体制3年目の中で大幅に選手が入れ替わった訳ではないし、培って来た経験がある。もちろん、アクシデントなんて起きない方が良いに決まっているが、たとえどんなアクシデントが起きようが、過去の経験を生かして乗り越えて行くことが出来る筈である。開幕戦を前に槙野智章選手は「ガンバは攻撃力を自慢にしているチーム。(無失点)0でおさえるのか?!2点取られても3点取るのか?!ただ、新しい浦和を見せるためには、守備力も攻撃力も上がったことを試される試合だと思う。今年の浦和は違う!結果と内容に拘る」と話した。
勝負に拘るメンタル面はもちろん、攻守に渡りあらゆる面で「今年の浦和は一味違う!」と思える開幕戦にしたい。
Q.前十字靱帯損傷について教えて下さい
A.前十字靱帯は、相手と接触して膝を捻たり、自分自身でジャンプの着地や急な方向転換をしたときに膝を捻り、膝に極端な負担がかかったときに断裂します。前十字靱帯が損傷すると膝に血がたまり腫れ、痛みが強く受傷時は歩くことが困難です。膝に血がたまる怪我の70%以上は前十字靭帯損傷です。
放置しても次第に痛みは軽減し歩行は可能になりますが膝を捻るような動作をすると膝崩れが起きてスポーツはできません。前十字靭帯損傷を放置していてスポーツを続けると2年以内に80%以上の人は半月板も損傷してしまいます。
前十字靭帯は膝を支える最も大切な靭帯ですのですので、早期の診断と適切な治療が必要です。膝が腫れるようなけがをした場合は必ず専門医を速やかに受診しましょう。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/