河合貴子のレッズ魂ここにあり!「世界に羽ばたけ~堀之内聖選手」
J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
日本代表・堀之内聖選手として、再び世界へと挑戦する
『フットゴルフ』というスポーツをご存じだろうか?
ゴルフクラブの代わりは足となり、ゴルフボールの代わりはサッカーボールとなる。ゴルフと同じように4人1組のパーティーで各ホールに設定されているカップを目指すスポーツである。
もちろん、ホールインワンもあれば、OBもある。基準打数が5打で設定されているところを1打少なければバディー、1打多ければボギーになる。そして、それぞれのホールごとに何打でまわったかがスコア―となり、トータルスコア―で順位が決定する。
正式なユニホームは、ゴルフシューズではなく、アップシューズかフットサルシューズでスパイクは禁止、ハイソックスにハーフパンツ、襟付きのシャツを着てハンチング帽をかぶる。
『フットゴルフ』は2009年にオランダで初めてルール化され、2012年に初めてワールドカップが開催された。日本では、2014年に『フットゴルフ』協会が設立されたばかりの新しいスポーツなのだ。
まだまだ日本では、馴染みの無いスポーツであるが、来年の1月7日から開催される第2回『フットゴルフ』ワールドカップ・アルゼンチン大会に日本も初参加をすることとなった。
日本代表メンバーは、16名。世界と闘うメンバーに、浦和の中盤やDFラインでクレバーなプレーで支えた堀之内聖氏が選出されたのだ。
堀之内氏のゲームの流れを読み、冷静沈着で冴えわたる鋭いプレーが、今度は『フットゴルフ』とフィールドを変えて闘うピッチへと帰って来たのだ。
2002年から9年間を浦和で過ごし、横浜FC、山形と移籍し、現役引退後は浦和のクラブスタッフとしてパートナー営業部に所属して浦和を影で支えている。
そんな堀之内氏が、『フットゴルフ』と出会ったのは、今年の夏のことであった。友人から誘われて参加した『フットゴルフ』で、30mのホールでいきなりホールインワンを決めたのだ。さすが、元Jリーガーである。
堀之内氏は「入っちゃった!!って感じだった」とホールインワンを照れながら振り返った。そして、堀之内氏は「グリーン周りが難しく、頭を使う。一打に集中するのは、PKと同じだ。コースを攻める所と守る所を考える。個人競技だけど、仲間とコミュニケーションを取りながら狙うところを決めたりする。もちろん、キックの精度も求められる。サッカーの場合は地面が平だけど、基本はゴルフコースだから傾斜していてボールを蹴るのが難しく、池越えもあればバンカーもある。飛距離を稼ぐためにカート道を利用する選手もいる。最後のパットはトゥーキックで狙うと安定する。やっぱりキックの精度が高い人は上手いけど、コースを知っている人が上手い。コースのデーター分析や解析が大事だ」と真剣な表情を浮かべて話していた。
が、急に表情を変えて「ほら、山さん(山田暢久氏)が、練習が終わると良くロビー(ロブソン・ポンテ氏)やエジ(C大阪・エジミウソン選手)たちと毎日のようにクラブハウスの前にある照明塔まで何回で辿り着けるか競争してたでしょう?!あれですよ!!あの延長が『フットゴルフ』ですよ」と懐かしい光景を思い出して笑った。
確かに、現役時代の山田暢久氏とロブソン・ポンテ氏がチームメイトに声を掛けてやっていた。取材陣の方へボールが転がってきたりすると「ダメ~触らないで!!」と当時、山田氏は良く叫んでいた。
「そう言えば、堀之内さんはたまにしか参加していなかったけど・・・」と思い出して尋ねると、堀之内氏は「だって、あの人たちは、自分が勝つまでやるんだよ。延長戦もあったしね」とニヤリと笑った。そして「やっぱり、山さんとかやったら上手いと思う。伸二(札幌・小野伸二選手)も上手いだろうなぁ~将来的に、小野伸二がフットゴルフ界に来たら、先に始めた者として負けられない」と闘志を見せていた。
『フットゴルフ』を始めて半年の堀之内氏が日本代表に選出されたのは、Jリーガーとして培って来た技術の高さとクレバーさが『フットゴルフ』で活かされて評価されたのだ。
堀之内氏は「僕自身、ユニバーシアード日本代表の経験はあるが、サッカー選手としてワールドカップには手が届かなかった。今回、日の丸を背負って闘えることに興奮したし、代表に入れて嬉しかった」とワールドカップアルゼンチン大会出場することを本当に嬉しそうに話した。
大会には世界28カ国が参加して予選ラウンドを闘い、上位150名が決勝ラウンドに進出する。「初めてなので、どんな感じなのか感覚が掴めないが、上位トップ10入りを目指したい。でも、そんな甘い競技ではない。チャレンジャーとして頑張る!ラクビーだって、結果を出して世間に注目された。スポーツは、結果が必要だ。『フットゴルフ』を広めたい情熱を持っている」と目を輝かせながらトップ10入りを誓った。
また、浦和レッズも12月23日に堀之内氏の壮行会を兼ねて、レッズランドに『フットゴルフ』を3コースオープンさせた。壮行会には、他の代表メンバーも7名も駆けつけて華を添えた。小さい子供から大人まで夢中になってコースを楽しそうにまわっていた。老若男女、誰でも気軽に『フットゴルフ』は楽しめるスポーツである。
堀之内氏は「会社もバックアップの体制を整えてくれている。もっと『フットゴルフ』をやり込まないといけない。普及面でも貢献出来るようにしたいし、浦和を『フットゴルフ』のプラットホームにして発信していく」と身を引き締めるように話した。
『フットゴルフ』の話をしている堀之内氏の表情は、浦和の選手時代と変わらず洗礼されたアスリートであった。そこには、浦和で生まれ、育ち、培って来た浦和の魂を感じずにはいられなかった。その魂を胸の奥に秘め『フットゴルフ』日本代表・堀之内聖選手として、再び世界へと挑戦する。
堀之内選手を応援する募金箱を設置します
『フットゴルフ』は、これまで記したようにまだ始まって間もないスポーツです。マイナースポーツのゆえ、今回のワールドカップアルゼンチン大会出場は無償で自己負担となっています。浦和は、三菱の社内規定に基づき堀之内聖選手をバックアップはして下さるそうですが、全額とまではいかない現状です。
そこで、浦和の街をあげて堀之内選手を応援する会が発足致しました。
浦和を愛する人々なら誰でもご存じのお馴染のお店のご協力の下に「堀之内選手を応援する募金箱」を第2回ワールドカップ・アルゼンチン大会開催中の1月10日まで設置することとなりました。
堀之内選手を応援したいお気持ちで良いので、カンパのご協力をどうぞお願い致します。
募金箱設置店舗<2016年1月10日まで>
○ティナラウンジ
http://www.tinalounge.com/
○酒蔵力 浦和本店、武蔵浦和店、池袋店
http://www.ri-ki.co.jp/
○サムシング 浦和本店、デュエ店、ベラジョイア店、クアトロ店、トレ店
http://www.italian-something.co.jp/
Q.精神的な疲労について教えて下さい。
A.運動をし過ぎることにより精神的に疲れると、身体の中のホルモンのバランスが崩れて筋肉の回復を遅らせてしまいます。オーバーユース症候群中には、精神的疲労もあります。意欲が落ちれば、ホルモンの分泌が悪くなりパフォーマンスが落ちてしまいます。軽いトレーニングをしながら、リフレッシュすることが大切です。トレーナーさんたちが、メニューを作り食事管理し、乳酸値を図ったりケアーをしていきます。40℃ぐらいのお風呂にゆっくりと浸かりリラックスして疲れを取ると良いでしょう。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/