河合貴子のレッズ魂ここにあり!「改革のテキスト『同聞異感』~菊原伸郎氏 」
J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
サッカーの街を誇る浦和が盛り込まれた、サッカー映画「DOUMON IKAN~同聞異感」
地道にコツコツ、努力する選手。常にポジティブで明るく、人懐こい。それが、菊原伸郎氏の現役時代の印象であった。
彼は1994年当時、レンタル移籍制度が出来て初めてヴェルディ川崎から浦和にやってきた菊原志朗選手が兄であった。菊原志朗選手は、ヴェルディ川崎がラモス瑠偉選手と中盤を形成し、JFL時代にわずか16歳でデビューを果たした「読売の天才少年」とまで言われていた。
当然のように脚光を浴びたのは兄だった。試合に出場出来ない悔しさを噛み締めながら「兄貴は、兄貴。俺は、俺」とサッカーボールに向き合う日々を過ごしていた姿が脳裏に焼き付いている。根っからのサッカー好きで、そのためにはどんな努力も怠らなかった。
埼玉大学教育学部准教授として活躍しサッカー部監督になってもその姿勢は変わることはなかった。
先日、菊原伸郎氏が目をキラキラ輝かせながら「サッカー映画を作りました。今度、試写会をやるから観に来て下さい」と声を掛けてきたのだ。「大人が変われば、子供たちも変わるんです!どこの部活でもあるような話で、さいたま・浦和まち映画で~」と声を弾ませていたのだ。
タイトルは「DOUMON IKAN~同聞異感」。30分ほどのストーリーの中に、サッカーの街を誇る浦和が盛り込まれている。試合に勝てない中学校の弱小サッカー部を舞台に、マネージャーの少女の思い、サッカーがつまらないチームのエースの思い、チームをまとめられず「俺の言う通りやれば良いんだよ」と言い放ってしまうサッカー部の顧問、「どうもいかん」とつぶやきながらちょっとしたアドバイスを送る人々が登場する。
菊原氏は「いろんな人たちに観てもらって、ディスカッションしてもらいたい」と話した。実際に映画を観ると、教材と言った感覚に近い映画であった。
サッカーを通して繰り広げられるストーリーは、確かに中学の部活の話しであるが一般の会社中でも共感できるものがあった。進む道が分からない少年、少女。熱血漢だが、教え方が分からない教師。それを見守る大人たち。これを、一般社会の会社に置き換えて考えると、どうしたら良いか分からない新入社員。教え方が分からない直属の上司。それを見守る生活コミュニティー。「DOUMON IKAN~同聞異感」には、様々なメッセージが織り込まれていた。「それぐらい、分かるだろう?」というやりきれない思いや「何かつまらない」「上手くいかないから、面白くない」という逃げだったり・・・。実際に観てもらえば分かると思うが、観終わるといろいろと考えさせられてしまった。
サッカーの世界だけで考えれば「アマチュアを変えない限り、プロのレベルは上がらない」という思いで菊原氏は映画をプロデュースした。そして、自らのサッカー指導として「良く見て、気が付く奴が勝つ」と『4+1メソッド』も映画の中で伝えていた。
『4+1メソッド』に付いての詳細は、「DOUMON IKAN~同聞異感」を観て実際に感じて欲しいと思う。「目指したいものは、良いものを作りたい。そのツールがサッカーだった」と菊原氏は笑った。
明るく「明確なビジョンがあれば、視界良好!」と笑う菊原氏に、つい浦和の明確なビジョンが見たいと思うほどであった。「どうもいかん」とつぶやかないで済むような浦和であって欲しいと思ってしまった。それには、どうしたら良いのかとまた思考を巡らしてしまった。「DOUMON IKAN~同聞異感」は、考えるきっかけづくりの改革テキストだ。
たった1年でプロ生活を引退した菊原氏だが、浦和のクラブスタッフとなり働き、筑波大学を経て埼玉大学で教える日々となったが、いろんな経験を積み重ねながらもサッカーから離れたことは一度もなかった。
TVでサッカー中継の解説を頼まれる時だって「ボールを追いかけるのにどうしてもみんな夢中になってしまう。スタジアムに来て欲しい。だから予測をともなった解説を心掛けている」と菊原氏は話す。選手から教える立場、伝える立場へと変わった。だが、サッカーと向き合う日々も思いも決して変わらない。そんな菊原氏がプロデュースした映画「DOUMON IKAN~同聞異感」を観て、菊原氏と是非ディスカッションして欲しいと願う。
なお、上映に関してはさいたま・浦和まち映画「DOUMON IKAN~同聞異感」のFacebookをチェックして下さい。https://www.facebook.com/DOMONIKAN
Q. アスレチックリハビリについて教えて下さい。
A. スポーツ選手は、日常生活が出来るリハビリではなく、スポーツが出来るためにリハビリをする目的があり、一歩踏み込んだリハビリが必要です。アスレチックリハビリテーションは、スポーツで怪我した患部と患部外のリハビリです。悪いところだけでなく、大切なのは体幹や下半身の筋肉を鍛えたりして身体の軸を作ります。バランスボールやストレッチなどをしたり、スポーツジムにあるようなランニングマシーンや下肢筋力計測トレーニング機器などを使い状態に合わせてリハビリメニューに取り組んでいきます。
Q. 酸素カプセルについて教えて下さい。
A. 酸素カプセルを使用すると肉離れの回復が早いと言う報告が多いです。外傷の治癒を早め、疲労回復にも効果があります。
川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/