河合貴子のレッズ魂ここにあり!「確実に階段をのぼる~青山隼選手」(11/18)
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
今シーズン、出場チャンスを虎視眈々と狙って来た青山隼選手は「坪さんや堀さんの練習を取り組む姿勢を見ていると、本当に頭が下がる。自分もやらなきゃいけないって気持ちになります」と口癖の様に話していた。二人の先輩の背中を見て見習うように、試合に出場するためにプロとして確りと日頃から練習に取り組姿勢を見せて来た青山選手に、スタメンの機会が巡って来たのは、10月12日天皇杯2回戦宮崎産業経営大学との対戦であった。
試合は4対1で勝利をしたものの、ボランチで出場した青山選手は「前線との距離が開いてしまい、上手くDFラインを押し上げる事も出来ず、前線を下げる事も出来ず、くさびのパスを入れる事も出来なかった。持ち味である守備の部分でもボールを奪う事が出来なかった」と唇を噛みしめ自分のプレーに納得が出来ない表情でスタジアムを後にした。天皇杯2回戦は、青山選手の中でも出場のチャンスが来るのではないかと意識して試合に向けての準備は怠らなかった。だが、青山選手の得意なボランチの位置でボールを奪い、相手の攻撃の芽を摘み、そこからの攻撃の展開を組み立てる本来の良さをプレーで魅せる事は出来ずに終わってしまったのだ。試合の翌日に青山選手から「まだまだなんです。せっかく貰ったチャンスだったんですが・・・。また、ゼロから頑張ります」と力強い答えが返って来た。
そして下を向く事無く、青山選手のコツコツと努力を積み重ねる日々が続いた。堀新監督になり、青山選手に与えられた課題は新たなポジションであるセンターバックであった。もともと青山選手は守備能力が高い選手である。ボランチでの経験を生かしたセンターバックとしてのプレーが出来る。新たな取り組みに対して青山選手は「ボランチをやっていたから、センターバックから受けるボールのタイミングやリターンのタイミングなどボランチの気持ちが分かる。繋ぎの意識を高く持ってやりたい。あと、サイドバックにボールを預けたあとのサポートを取り直す。相手のFWに対するマークのポジショニングを確りやりたい」と話した。
11月16日天皇杯3回戦東京ヴェルディ―との対戦で濱田水輝選手と組んでセンターバックで青山選手は、後半19分に右足ふくろはぎが攣ってしまい交代を余儀なくされてしまった。青山選手は「やりたかった。やりきりたかった。凄く良い意味で、相手の位置、味方の位置を見れて、余裕を持って、冷静にプレー出来ていた」と手応えが有っただけに、フル出場出来なかった無念差が残った。青山選手は、この時期でもドクターが驚くほど代謝が良く、2~3キロ体重が落ちるそうだ。90分間良いコンディションで闘える力を付けるために、食生活の改善にも取り組んでいく。
90分間闘える身体作りとボランチとセンターバックを両方こなせるように、青山選手は、また日頃からコツコツと努力を積み重ねてステップアップしていく。「山さんは、ボランチもセンターバックもサイドバックも対応出来る。今野さんもボランチもセンターバックもやっている。僕も両方対応出来る選手になりたい」と青山選手は、新たな目標を定めた。
青山選手の一番の強みは、逃げる事なく自分の中での課題と真剣に向き合い、それを確実に克服して行く力がある事だ。今後の青山選手の動向から、決して目を離す事が出来ない程、大きな階段を確実にのぼって行く選手である。