浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「浦和を愛する覚悟(前編)」(12/14)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

埼玉スタジアムで行われたリーグ最終節・柏レイソル戦では、柏木陽介選手の男の意地を見せたプロ初となるヘディングシュートが決まったものの、1対3と完敗。柏の優勝をホームで見せ付けられる結果になってしまった。

試合後、原口元気選手は「チームの熟成度の違い。攻撃の際のスムーズ差の違いがあった。監督が変わり、目指すサッカーが変わり、難しかった。今シーズンは壁にぶつかった。成長して行かないと・・・。また来年、J1で出来る。強くなる!」と来季に向けて闘志を見せた。
この試合でワントップを務めた山田直輝選手は「監督に言われて、僕も出来ると思ってプレーした。裏に抜ける動き、足元とはっきりさせようと思っていたが、間延びしていて、DFラインと遠く感じてしまって、仕事が出来なかった。ゲームの流れが悪い時にFWの選手達が、距離間が遠いと言うのを肌で感じる事が出来た。悔しいが、貴重な経験をした。レイソルとは、チーム力の差と言うか・・・。1年通してやって来たチームと、ここ1カ月半でやって来たチームとの、最後に底力の差が出た。」と険しい表情で話した。マルシオ選手は「柏はゲームの組み立てが良い。どのポジションでもクオリティーが高いのは、J2で這い上がるためにやって来たからだ。チーム作りはサッカーで難しい所、ミスが少ないチームが優位に立てる。レッズも学ばないといけない。」と話し、柏木選手は「今日に関しては、完敗です。レイソルは年間通して闘った。レッズもそうしないといけない。この悔しい経験を生かして行かないと・・・。」と話した。

今シーズンの結果に満足する人など、1人もいない。何故、こんな結果になってしまったのか?J1に復活し、たった1年の歳月で優勝争いをして、見事に優勝の栄冠に輝いた柏とJ1残留争いをして、勝ち点3差で残留出来た浦和とのチーム力の差を見れば明らかである。

試合後の最終戦セレモニーで橋本社長は「ご声援有難う御座いました。シーズン途中で監督が交代になり、チームの編成、クラブとして大きな課題が残った1年でした。深くお詫び申し上げます。」と挨拶をするものの、レッズを愛するファン・サポーターからのブーイングで掻き消されてしまった。ゴール裏には「20年でこのザマか」「この状況はフロントの情熱 誇り 愛が足りなかった結果 這い上がる覚悟を見せろ」「過ちを繰り返すクラブを変える覚悟はあるか?」と横断幕が掲げられた。その後、ゴール裏には1,000人を超えるファン・サポーターが4時間半に渡り居残り、クラブに対しての抗議を行った。

同じクラブを愛する者の1人として、居残った方々の気持ちは痛いほど分かる。その場に立ち会いたい衝動に駆られたが、厳重な警備が引かれて、情けない事に近寄る事すら出来なかった。少しでも現状を把握しようとすると、クラブ関係者から「見ないで下さい」と冷たい一言。「すみません。では、どうすれば良いですか?」と尋ねても返答すら無い。困り果てて「みんなの声を聞きたい」と戸苅広報部長に訴えると「メディアをシャットアウトするつもりはないよ。アッパーに上がって見て下さい」と漸く許可を貰い、アッパーから微かに聞こえて来る声に耳を傾ける事が出来た。

聞こえて来たのは、橋本社長が何か言葉を発する度に辞任要求の声であった。寒空の下、建設的な意見交換もされてるようには残念な事に感じる事も出来ず、野次とも思える様な声が聞こえて来る度に、胸が痛くなり悲しくなってしまった。その場に居残った方々も、一度あげた拳の下げどころを失ってしまっている様にも見えた。その場に出向き「意見交換も出来る状況ではないので、後日、ファン・サポーターとクラブが話し合いの場を持つ事で、もっとみんなが愛せる浦和レッズを一緒に作って行きましょう。橋本社長、約束して下さい。何度でも良いから、どんな形でも良いから、形式的な「Talk on Together」のようなイベントでは無く、みんなが気兼ねなく、膝を突き合わせて話が出来る場を作って下さい。このままでは、本当に浦和レッズを愛する人達が居なくなってしまいます。」と叫びたかった。

しかし、心の声は行動に移す事も出来ず、届ける術もないままに時間だけが虚しく過ぎて行ってしまった。

(続く)

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