浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「自分なりのワントップ~原口元気選手」(1/14)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

理想とするワントップ像を求めてもがき苦しんだ2012シーズン。

「スーっと終わちゃいました」。

2012年シーズンを振り返り、原口元気選手は呟き、そして「来年に繋がるシーズンだったと思う」と目を輝かせながら昨年のシーズン終わりに話してくれた。昨シーズンの原口選手は、鋭いドリブルで中に切れ込みゴールを狙う得意としたプレーを封印し、チームが勝つために、慣れないワントップで相手DFを釣る動きして味方にスペースを与えたり、下がってボールを引き出す動き、DFの裏を突く動きなどプレーの幅を広げた。時には、上手くいかず不満を露わにした事もあった。2011年はリーグ戦30試合で9ゴールであった原口選手は「二桁行かなかった」と悔しがり、ゴール二桁を目標に置いた。しかし、昨年は32試合で僅か4ゴールであった。二桁には程遠いゴール数であるが、原口選手にとって、ゴール数よりも貴重な昨シーズンであったと思える。プレー面だけでなく、メンタル面でも成長出来た昨シーズンだったのではないだろうか!?

結果が出ずに混沌とした日々が続き、原口選手から笑顔が消えた時もあった。
「パッと入れば(ゴールが)良いんですが・・・。なんとか状況を打開したい。勝利に導けるチャンスがあって、そこで決め切れない弱さがある」と悔しがった。そして、ゴールに対する執着心を持ちつつ、チームプレーに徹した原口選手は「納得出来るプレーがしたい」と話し、理想とするワントップ像を求めて、フェルナンド・トーレス選手の試合をテレビで観たり、佐藤寿人選手の動きをダイジェストにしたDVDを観たり、色んな物を吸収しようともがき苦しんだ。その成果は、少しずつであるが原口選手の身体に沁みついていったように思えた。だが、本人は「成長出来た事は、来シーズン感じ取れれば良いと思う。手応えはまだない。必死にやれたシーズンだった。決して、ネガティブな年では無かった。ちゃんと前には進めていると思う」と話していた。

そして、待ちに待った浦和の今シーズンが間もなくスタートとする。浦和は、昨シーズン30試合11ゴール決めている鹿島の興梠慎三選手を獲得した。今シーズンもワントップのシステムが変わらないのであれば、ポジション争いは激しくなる。しかし、原口選手は冷静に「レギュラー争いに勝つのでは無く、しっかりとした自分を出せるようにしたい。個人としてもチームとしても勝負の年だと思う。いろいろと考えて、自分なりのワントップ像を出さないといけない」と身を引き締めるように話していた。焦って自分を見失ってしまっては、何も得る事が出来ない。自分を見失わない事の大切さを昨シーズン、様々な事で原口選手は学んだと思う。だから「しっかりとした自分を出せるようにしたい」と断言したのだ。

約1カ月余りのオフで原口選手は何を考え、そしてコンディションをどのように整えているのか?知る術は、今はない。だが、昨シーズンの混沌とした日々から、一筋の光を見出し、確実にステップアップした原口選手だからこそ、このオフで自分なりのワントップ像を掴んで今シーズンを迎える事だろう。原口選手なりのワントップ像とはどんなワントップのプレーを魅せてくれるのだろうか?DFの裏を抜け出して、ペナルティーエリア内で得意のドリブルで相手DFとGKまでも手玉に取り、冷静にゴールを決める。相手DFをワンツーパスで翻弄して、嘲笑うかのようにゴールを決める。原口選手の所でボールが収まり、攻撃のスイッチが入りチーム全体で何処からでもゴールを狙う事が出来る。想像するだけでもワクワクしてくる。

昨シーズンの成長の証として、必ず原口選手しか出来ないワントップのプレーが魅られるだろう。

 

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