河合貴子のレッズ魂ここにあり!「試合数が多い喜び~柏木陽介選手」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
ACL広州戦を戦え終えた選手たちの想い
今シーズンの公式戦は、ACLグループリーグ広州恒大戦で始まった。南亜熱帯気候の広州は、早春の浦和とは気温差が10度以上もあり、湿度も高かった。ピッチコンディションも悪く、浦和からしたら決して良い環境とは言い難いように思えた。その上、「この街には浦和レッズが泊まれるホテルは一つも無い」と言われ、予約していたホテルには泊まれずに、スタジアムまで約1時間半離れたホテルに変更を余儀なくされたそうだ。正に、アウェーの洗礼であった。
永田充選手は「温かくて、少し蒸し熱い感じだったが、日本の梅雨の時期ほどでは無いし、ピッチは確かにボコボコだったけど・・・。俺は気にならなかった」と全く問題にはしていなかった。
宇賀神友弥選手は「日本だと、アウェーでもうちの声援が多いのに・・・。暑さは気にはならなかったけど、ピッチは良く無い中で、試合前とハーフタイムに水を撒いている状態で、かなり緩い感じだった。そんなコンディションの中、自分の技術不足を感じた」と悔しがった。
選手によってアウェーの感じ方はそれぞれであるが、どんな環境で試合が行われようが、せめて勝ち点1でも持ち帰りたかったはずである。試合は、ムリキ選手の個人技と自分達のミスから失点を重ねて、0-3と大敗を喫してしまった。
柏木陽介選手は「アウェーで闘っている以上、それは普通でしょ!ピッチコンディションや気候とか、負けた言い訳にしたくないし、言い訳は出来ない」と一掃するように話した。
そして、柏木選手は「相手はホームだから、前からプレシャーをかけて来ると思っていた。そんな中、立ち上がり試合に良い感じで入れたのに…。戦術よりも自分達のミスでやられた。個人のミスが多く、集中してやっていかないといけない。ボールの奪われ方の悪さとか、守って来る相手にどう闘うか?難しさがあった。チームとして上手く闘えてなかった」と試合を振り返ったが、苦み走った顔をして「個人的に俺がダメだった。消える時間が多く、ボールに触れず何も出来なかった」と自分自身のパフォーマンスを悔いた。
柏木選手のプレースタイルとして、ボールを貰い自分のリズムを作り試合の流れに乗っていくタイプの選手である。シャドウの位置からボランチの位置まで下がりボールを受けるシーンを見かける時もある。しかし、広州戦では中々ボールに触れずリズムが作れないでいた。試合から消えた時間を「ボールを受けるために退きすぎたらサイドは空いて来ない。マークが厳しい状況でもクサビのボールを入れて貰えば良かった・・・。後ろからボールを運んで、同サイドが多かったし・・・」と話した。
相手DFのマークが厳しい場合は、マークを外すべき動きをするのが常套手段であるが、それも厳しい状況であれば相手DFを釣って味方にスペースを与える動きが出来るはずである。だが、相手DFを釣る動きではボールを触る事が出来ない。そこで、ボールを触ってリズムを作る柏木選手は考えた。
「今後も厳しいマークが来る。自分が退いた所のスペースを森脇とかが上がって来て、自分はそれを追い越す動きをしたり、色々な所に顔を出しながらリズムを作る」とイマジネーションを膨らませた。
過酷なACL・広州戦から、中3日でJリーグ開幕の広島戦が待ち受けている。
「広島はブロックを作って、ボールを奪ってから出て来る速さがある」と柏木選手は警戒した。それは、奇しくも敗戦を喫した広州と同じである。広島はゼロックスとACLを闘い浦和よりも過密なスケジュールであるが、移動の負担はない事を考えるとコンディションは良いと思える。柏木選手は「俺らは移動があるが、言い訳は無し!ACLで試合が多い事の喜びを感じている。1試合(広州戦)無駄にした。広島戦で良いプレーを出来る様にしたい。気持的に自分が悪すぎなんで・・・。自分の良さをより出せるようにしていきたい」と広州戦の敗戦から目をそらす事無く、前を向いた。
柏木選手は、厳しいアウェーの洗礼も、過密な日程も、試合が出来る喜びに変えている。その喜びは「勝利」と言う名の本当の喜びにするために闘う。
スポーツには怪我は付き物!河合もボールを蹴りながら、様々な怪我を実体験してきました。そんな河合が、スポーツを楽しむために、身体のしくみ、怪我の予防、怪我した時の対処方法などを川久保整形外科クリニックの川久保先生に質問していきます。
Q.サッカー選手の怪我の中で、肉離れについて教えて下さい。
A.肉離れは、色々な所でおきます。基本的に、自分の力で筋肉が部分的に切れたり、伸びたりする事を肉離れと言います。スポーツの肉離れにおいて、一番多い部位は膝を曲げる筋肉で、もも裏にあるハムストリングで、統計的には約40%を占めています。このハムストリングの肉離れは、走る動作やヘディングなどでジャンプして着地した瞬間におきます。一方スライディングの動作では内転筋が、ボールを蹴る動作では内転筋、膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋の肉離れがあります。また方向を切り替えるステップ動作では、ふくらはぎの肉離れがおきます。試合中、受傷した選手を見ていると、傷めた場所を押さえているので、損傷したことがよくわかります。